五、 森羅万象



 数日が過ぎた。
 相変わらず受付にいる分には、これといった変化は認められない。ただ、国境戦線に向けて出立する者が徐々に増えてゆき、その分里周辺で通常の任務をこなす者の数が少なくなり始めている。よってもし彼等の心に何らかの変化が現れるとすれば、今後なのかもしれない。鑑定歴の長い同僚らは「これは絶対に忙しくなるぞ」などと嫌な予測を立てて、日々戦々恐々としている。
 またこれは当然のことだが、暗部の男もあれから一切音沙汰はない。彼は既に上からの命令に従って、一応ここを訪ね終わったのだ。それに『イビキと違い、自分とは話をしても面白くない』とも言っていた。
(そりゃあもう、来ない…よな)
 あの後俺は時間が経つにつれ、少し落ち込んだ。
(いつまでもこだわっていても仕方ない。気持ちを切り替えなくては)と思うのに、ふとした折りにあの独特の容姿を思い出す。
(でも…きれいな人だった、よな…?)
 大の男に使う言葉ではないが、確かに人目を引く人だったと思う。均整の取れた体はすらりと高く、焼けていない滑らかな白い肌に、銀色の髪が何とも涼しげだった。面の下の顔はどんな感じなんだろう? 想像もつかない。ソファに座っていた格好が酷くだらしなかったのは、恐らくわざとだ。その証拠に、立ち上がってから立ち去るまでの動作には一切の無駄が無く、一目で立ち居振る舞いのしっかりした優秀な忍と知れた。
 なのに、どうしてあんな意地の悪い言葉ばかりぶつけてきたんだろう。たまたま虫の居所でも悪かったんだろうか。
(でも、もっとこう…何かに固執しているような気がしたから、その理由を聞いてみたかったんだけどな…)
 少々心残りだったが、もう会えない以上仕方ない。規則に従って早く『異常なし』の鑑定書を書いて提出しなくては。

 一方、シモトには少しずつではあるものの、明らかに変化が現れ始めていた。
 夕方も遅くなったその日、彼が三度目の「相談」に来てくれたのだ。


「良かったら、名前を聞かせてくれませんか?」
 イルカは向かい合って座ってから一息着くと、頃合いを見て静かに切り出した。
「――――」
「…まだ、伺ってませんでしたよね?」
 更にそっと言葉を重ねてみるも、俯いた口元が『名前など、もうとうに知っているくせに』と言いたげな様子でぎゅっと噛み締められている。
 でも聞きたいのだ。それでも本人の口から、自身の名前を聞かせて欲しいのだ。こちらが予め調べ上げた情報で、一方的に事を進めたとしても、お互いの間に信頼関係など何一つ築けはしないのだから。

「私はイルカです。うみのイルカ」
「――――」
「あなたは?」
「――――」
「あなたのことを、これから私はなんとお呼びすればいいですか?」
「―――……」
「…ぇ?」
 見つめていた口元が動いたような気がして、思わず聞き返した。
「――…シモト」
 相変わらずイルカからは視線を反らしたままだったが、彼は小声ながらはっきりとそう言った。
「シモト。シモトさんですね」
 俯いた男は、ほんの小さく顎を引く。
「ここに何度も来るのはとても勇気の要ることだったと思います。今まで諦めずに頑張って下さってありがとう、シモトさん」
 今まで待っていて本当に良かった。そして彼の努力を決して無駄にしてはいけない、と心から思う。

「……っ……うっ…」
 と突然、それまで固く強張っていたシモトの顔が、くしゃくしゃと崩れだした。そのままイルカの前で顔を覆い、堰を切ったように啜り泣き始める。
「シモト、さん…」
 次第に押さえきれなくなってきた苦しげな咽び声は、男の傷だらけの手指の間から溢れ出し、室内の空気を震わせながら、人気のない静かな廊下へと細く流れていく。
「辛かったんですね。ずっと一人で…我慢してた?」
 訊ねると、後から後から溢れてくる涙を両手で拭いながら、彼はうん、うんと子供のように何度も何度も首を縦に振っている。
 イルカの問いかけに、長いこと耐えに耐えていたものが一層激しく揺すられているらしく、嗚咽はますます激しくなっていく。まるで彼の全身を分厚く覆っていた固い殻に細かなひびが入りだし、刻一刻と崩れ去っていくのが目に見えるようだ。
 そしてその殻の下から現れたのは、酷く柔らかくて傷付きやすい、彼がまだ少年と呼ばれていた頃と何ら変わりのない、当時のままの心だ。
「聞かせてくれませんか、あなたのこと」
 ぶるぶると震えている手指の向こうに問いかける。と、激しかった嗚咽が急に引きつれながら止まった。喉の奥にぐっと呑み込まれた咽びは緊張を呼び、ゆるみかかっていた場の空気を不安定に張り詰めさせる。
「もちろんあなた一人でとは言いません。私と一緒に、少しずつ乗り越えていきましょう」
 そう、自分も共に遠く険しい坂道を登っていく。誰とでも、何度でも。
「どんな些細なことだっていいんです。心配なことがあれば、迷わず教えて下さい。もしも家にいて不安になったら、いつでも話しに来て下さい」
 こうして根気強く対話を続けていくことは、決してどの一瞬たりとも無駄ではない。時には何かの拍子にすっかり後戻りしてしまったり、同じ所を果てしなく堂々巡りしてしまうことも何ら珍しくないが、少なくとも自分は何一つ無駄ではないと、そう信じている。
 やがて、気の遠くなるような長い時間を共に積み重ねていくにつれ、辛くて恐ろしくてどうしても近寄れなかった傷に、二人は次第に近付いていくことが出来るようになる。
 ある程度傷に近付くことが出来るようになれば、今度は同じような体験を持つ同胞達を交えた複数での交流治療が始まる。そこで仲間達と辛い体験を共有しあった結果、自身の傷を真正面から見つめることが可能になれば、彼が元の現場に復帰するのも時間の問題となってくる。
 そして晴れてその日を迎えた時、相談者と共に辛く長い道のりを歩んできていた自分もまた、何かが少しだけ変わっているような気がしていた。
(三代目は…、そのために俺を推薦して下さったのかな…)
 去り際に一礼をするようになったシモトの後ろ姿を見送りつつ、イルカはふと、そんなことを思った。

(――さてと、記録を付けたら今日は終わりにしよう)
 ドアを閉めて、心なしか軽く感じる足を数歩踏み出した。

(あっ?!)
 その足が、いや全身が、一瞬固まった。
 ソファの背に尻を預ける形で、白面を付けた銀髪男がだらしなく座していた。
(来てくれた…!)
 赤黒い刺青をこちらに向けた格好で長い脚を折り曲げ、土足の片足をこれ見よがしにソファの肘掛けに乗せている。
「アンタさー、まだあの男にちょっかい出してんの?」
 跳ねた心臓を宥めていると、面の下からまさに不愉快という表現がしっくりくる声が響いた。
「――私に与えられた、正当な任務ですから」
 早くも苛立っていて、まだるっこしい事に過敏になっているらしい彼を極力刺激しないよう、挨拶は抜きにしてまずは質問に答える。
「ふっ…正当ねぇ? どう見たって今のは『親切や優しさを勘違いしてる者』と、『それに都合良く甘えようとしている者』の共依存の構図にしか見えないけど? ま、でも正当であれ不当であれ、上からやれって言われたら、アンタは何にも考えずにどんなことでも大真面目にやるんでしょ」
 男の言葉には、以前と同じくイルカを攻撃する姿勢が滲んでいる。でもそれをまともに受けて反論してしまっては、前と同じ轍を踏んでしまう。彼はなぜこうも自分を批判してくるのか? 意図するところは何も分からない。だが、とにかくその巧みな横言に絡み取られないよう、自分のペースを守らなくてはいけない。イルカは内心でぐっと身構えた。
「ええ、何でも真面目にやりますよ。あなたと同じ忍ですから」
 即座に返すと、男は不意を衝かれたらしく、一拍置いてからくくっと嗤った。
「はっ、いいね、その嘘臭い答え。――面白くなってきた」
「では、私の質問にも答えて下さいますか?」
「内容次第」
「大丈夫です。この設問は、あなたのお心のままに、如何様にも答えて頂けるものです」
 イルカは暗部の男に『精神分析テスト』を投げてみることにした。
 一見何の脈絡もない単語を幾つか並べ、そこから連想するものを自由に話して貰うというものだ。だがその単語の中には、心に何らかの傷が付いている場合には、ついつい過剰反応してしまうような語句を混ぜてある。
 この形なら例え暗部でも話せることはあるはずで、シモトのような黙止状態でなく、活発に会話のできる彼ならば、何かしらの手掛かりがこの答えの端々から導き出せる可能性が高かった。

「見る・自分・頭痛・音・崩れる。――この五つの単語を聞いて、今あなたの心に浮かんだことを聞かせて下さい」
 すると、ソファの背に土足と尻を乗せていた男が、音もなくこちら側へと下り立つ。
 そのまますとんと体を落として座面に座り直すと、まさに立て板に水といった感じでサラサラと喋り出した。そこまでの間、僅か二、三秒といったところか。

「――知ってる? 人間てさ、みんな自分の見たいものしか見えてないって。自分が見たくないもの、信じてないものはね、例え目に見えても耳に入っても、無意識のうちに排除したり自分の都合の良いように解釈してるわけ」
 その言葉に、イルカは小さく頷いて見せる。もちろんこの頷きは同意ではなく、続きの促しだ。
「でないと、五感から常に入り続けてる膨大な情報量を処理しきれないからね。アンタだってさ、今自分の心臓が鼓動してる音なんて聞こえてないでしょ? でもホントはちゃんと届いてんの。ココが聞こえてるって判断してないだけで」
 男は自身の銀色の頭を指差した。黒く鋭いかぎ爪の付いた人差し指が、白い面を被った人の頭を指し示している様は、一種異様な光景だ。
 しかしイルカは何も感じていない風を装って頷くと、再び話の続きを促した。今はこの秘匿権に固くガードされた男がどのような人物なのか、少しでも探らねばならない。会話はその手掛かりとなる最も重要な手段だ。
「だから何らかの理由でその伝達バランスが崩れるとね、鼓動の音を消しきれなくなって、急にズキズキと感じだすってわけ。それが頭痛」
 男はどこか軽率な雰囲気さえ漂わせながら、意外なほどよく喋っている。この様子だと、背格好も考え合わせれば、十代後半から二十代の半ばくらいといったところだろうか。ひょっとすると自分と幾らも違わないかも知れない。人体に対する知識から推察するに、他分野の知識にもある程度通じていることが伺える。しかも、設問にはきっちりと全ての単語を使いながら完璧に答えつつも、肝心の自身の心象には一切触れておらず、何も推察できないようにしている。
(頭の切れる人だ)
 イルカは改めて思った。イビキが言っていた、まさにその通りだと思う。問われてから答えるまでの早さといい、内容の正確さや澱みなさ、総合的な回答の完成度といい、記憶力、判断力、知識量、実行力とも申し分ない。もしもこれが一刻を争う戦場でも、彼はその場で与えられた情報でもって、今と同じように何の澱みもなく、正確無比な作戦を導き出して実行するのだろう。今得られたほんの一端の回答からでも、彼が忍として非常に優秀な人材であることが容易に伺い知れた。


「ありがとうございます。とても参考になりました」
「ハ、嘘ばっか。下らない他人分析なんて止めときな。そんなことしたって、何一つ分かりゃしないんだから」
 礼を言うと、面の下でふんと鼻で嗤う声がする。
「そうでしょうか?」
「だってこんな形式じゃ、幾らでも心にもないこと作り上げて言えるでしょうよ? じゃあ聞くけどさ。今のその子供騙しの質問で、オレの何がどれだけ分かったっての? 言ってみなよ」
 イルカは白い面に開いた二つの穴の奥を、じっと見つめた。


「――あなたが他人に本心を読まれたくなくて、必死に押し隠しているということ」

「――――…」

 束の間、静寂が訪れた直後だった。
「…ふうん」
 突然、ピリッと刺すような不穏な気配を肌に感じて、ドキリとする。
(っ…?!)
 本能が警鐘を鳴らし、思わず体を硬くして身構えた。両の腕には一斉に鳥肌が立っている。だがしんと静まりかえった室内には、幾ら待っても何の変化もない。
(…なっ…なんだ、今の…?)
 ドクドクと一気に高鳴りだした鼓動に、呼吸までが荒くなる。手の平に嫌な汗が滲むのが分かった。
 向かいの男は相変わらず面を付けたままだ。が、今一瞬、目に見えない仮面が一枚外れたように思ったのは気のせいだろうか。
(…くっ)
 イルカは背筋を伸ばしたまま、真っ直ぐ男の方を見据えた。
今この気に負けて視線を反らすのは簡単だ。だが自分の言っていることは間違ってないと思う。だから例え内心では怖じけていたとしても、やせ我慢でも何でもいいから彼と向かい合っていたかった。

「だからさー、そんな分析なんて何のアテにもなんないんだって。なんで分かんないかなー」
 だが男は、今しがたの強烈な示威行為などまるで知らないとでも言うかのように、先程までのいい加減な人格の続きとばかり、軽い口調で喋り出す。
「あなたは今まで、見たくないものも…沢山見てきた?」
「ハッ、それを暗部に聞くんだ? まぁ確かに今だって何もかもよーっく見えてるよ。それこそアンタの浅はかな考えから世の森羅万象までね」
 男は真っ暗な面の奥からイルカをひたと見つめたまま、鼻で嗤いながら肩を竦め、黒い手の平を肩の高さまでへらりと差し上げている。だが、軽そうに聞こえる声音には僅かに凄みも混じっており、その言葉が単なるからかいなどではない事を教えている。こうしてじわじわと自分を翻弄し、追い詰めていくのを楽しんでいるらしい。
 察しのいい彼が言うように、恐らくこちらの考えなどとうの昔に読まれてしまっているのだろう。
(でも、何もかも読まれたとしても構わない)
 自分には、隠し立てせねばならぬ事など何もないのだから。
 鑑定室に来る者で、このように冷静に会話の出来る者は少ない。大抵は自分自身を支えきれなくなったことで、平静を失っている者が殆どだからだ。論点も最初からずれていたり、破綻していたりする者が多い中、この男の発言は驚くほど冷静で筋道立っており、鑑定結果で言うなら明らかに「異常なし」と判定すべきところだ。
 しかしイルカは、この男の中の深いところにある不安定な何かを、遠く深いところに微かに嗅いだ気がした。
(彼は…怯えている…?)
 何となく、本当に何となくではあったがそう思った。
 何に? 分からない。でもそんな気がする。

「そうですか。きっと色んな所で色んなものを見てこられたのでしょうね。実は私はあまり里の外に出たことがないもので…お恥ずかしながら、ろくに里外のことも知りません。良かったら差し支えのない範囲で構いませんので、外の話をして下さいませんか?」
「断る」
 即座に返ってきた返事は冷たく、有無を言わせぬ響きがある。言外に「これ以上こちらに立ち入るな」という警告が見え隠れしていると感じるのは、気のせいではないだろう。
「…そうですか。確かに思い出したくないことも沢山あるでしょうね。無理を言って…すみませんでした」
「フッ、上手いこと言って。オレから何か引き出そうったって無駄だから」
 剥き出しの白い肩が、嘲笑と共に揺れている。
「そんなっ、つもりは…」
 無いとはとても言い切れない。
「大体ね、相手騙して幾らの稼業で、オレが核心に触れるようなことをペラペラ話すとでも?」
 男が話しながら軽く手振りをするたび、大きく曲がった黒いかぎ爪が、何もない宙を切り裂いている。
「いいえ。あなたが軽々しくご自分のことを口に出来ないのは重々承知しています。それでもつい仕事柄……あいや、これは性格かな…訊いてしまいますけど。でもお答えにならなくていいんです。ここはあなたを不快にしたり、立場を不利にするための場所じゃないんですから」
(――あぁそうだ、そうだった)
 イルカは話しながら、何かの呪縛から解けたようにふっと思った。
 彼から「何かを引き出さねば」なんていう考え自体、そもそも良くなかった。相手を負かそうとしても決して勝てはしないのだ。でも己が自分らしさ、人間らしささえ失わなければ、少なくとも負けることだけは無い。思い出せて良かった。またしてもうっかり自分を見失ったまま終わるところだった。
(けれど、もう大丈夫だ)
 にわかに静まってきた心で男を見やる。

「オレの仮面が、この一枚だけだと思ってるわけ?」
 投げつけられたその言葉は、鑑定者にとっては確かに厄介な一言なのかも知れない。
 でも心の持ちようとは面白いものだ。不思議なほど彼の言葉に囚われなくなっていた。
「別に私は、真実が知りたい訳じゃないんです」
「――――」
「この部屋では、あなたは幾つもの仮面を付けたままでもいいんですよ。もし望まないことを無理強いしたり、本当のことを強引に暴いたとしても、きっとそこから先は共に進めないでしょうから。私はあなたがどこか他の場所で、誰か親しい人……例えば家族や恋人や親友の言葉に、時折静かに耳を傾けてらっしゃるなら、それでいいと思ってます」
「フッ…もっともらしい事言って。今度は懐柔作戦か。そんな見え透いた手に乗るとでも?」
「分かってます。あなたはとても強くて賢い。本来ここに来る必要のない人ですから」
「暇潰しはお断りってわけ」
「違います。お忙しいあなたを、これ以上煩わす訳にはいきませんので」
 それこそ戦力の無駄遣いですからねと、イルカは以前の男の言葉を借りてにっこりと笑う。
「上官に提出する鑑定書はこちらで書かせて頂きますが、決して悪いようには致しません。お約束します。至らない私のせいで二度もお運び頂いてありがとうございました。この先もどうかご無事で」
「――――」

 気のせいだろうか。去り際、男は何か言いたげだった。
 しかし窓の外の大きな落葉樹の横枝に、こちらに背を向けた格好で人影が僅かに姿を見せると、何も言わないまま窓枠に手を掛けた。
(ぁ…)
 現れた人影の装束が、彼を迎えに来た仲間なのだと教えている。剥き出しの細くて白い肩や、長く艶やかな栗色の髪は、女性特有のそれだ。
(――そう、か)
 栗色の髪と共に深い宵闇に消えていく男を見て、そうだよな、と思う。
 若くて健康で優秀な彼なら、心の内を聞いてくれる者など幾らでもいるだろう。暗部だからと、特別心配することもなかったようだ。
(…よかった)
 小さな溜息と共に肩が下がる。と同時に、何となく少し寂しいような気がしたが、それは別に今回に限ったことではない。無事本来の心を取り戻して現役に復帰していく仲間がいた時は、最後にはいつもそう感じている。
 もう会うこともないだろう。
(――いや、そうであるべきなんだ)
 イルカは窓を閉め、カーテンを引いた。











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